検査法の基礎
大腸がん集検のスクリーニング法としての便潜血テストの現状と問題点
光島 徹
1
,
永谷 京平
1
,
小久保 武
2
1亀田総合病院消化器内科
2亀田総合病院病理科
pp.1169-1173
発行日 1990年8月1日
Published Date 1990/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900340
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サマリー
4種類の免疫学的便潜血テスト(イムディア-Hem Sp,OC-ヘモディア,モノヘム,チェックメイトヘモ)の診断能力をグアヤック法であるシオノギBスライドと対比して検討した.結果は,いずれの免疫学的方法も1日法では,大腸がん集検のスクリーニング法としては進行癌の見落としが生じるなど性能不良であった.大腸がん集検が今後適正に発展し,受診者に信頼される検診になるためには,検査法の限界を正しく受診者に知らせて行うことが必須と考えられた.また大腸がん集検の精度向上のため,2日法,3日法などの便潜血テスト施行方法の工夫,さらにはより診断能力の高いスクリーニング法の開発が必要と思われた.
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