Japanese
English
研究
定量法を含めた便潜血検査法の現状と問題点
The Present Conditions and Issues in Fecal Occult Blood Test Inclunding Quantitative Assays
新井 智子
1
,
塚田 敏彦
1
Tomoko ARAI
1
,
Toshihiko TSUKADA
1
1虎の門病院臨床化学検査部
1Department of Clinical Chemistry. Toranomon Hospital
キーワード:
便潜血
,
ヘモグロビン
,
疑似便
,
溶血液
,
採便容器
Keyword:
便潜血
,
ヘモグロビン
,
疑似便
,
溶血液
,
採便容器
pp.93-99
発行日 1996年1月15日
Published Date 1996/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902808
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定性法2種,定量法3種の便潜血測定試薬について,患者便・疑似便・溶血液を測定して各測定法を比較検討した.全測定法を定性レベルの判定結果でみると,キットによって実便検体の陽性率に明らかな差が認められた.採便量の影響を反映する疑似便検体とその影響を受けない溶血液検体の判定結果には大差はなく,カットオフ値との判定のズレは定量法・定性法ともに,作製した倍々希釈系列の1ランク程度であった.定量法で,溶血液検体の測定値を理論値と比較すると,3~5割のズレが認められ,キャリブレーションのありかたに問題があると思われた.また現在主流となっているng/ml単位は,採便量と採便容器中の緩衝液量によって値が変化するため,統一単位として使用できるμg/g便に改正すべきである.採便量の問題を除いて,少なくとも定量法では存在するHbを正確に測定するための改良が必要と思われた.
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