わだい
免疫学的便潜血テスト
北條 慶一
1
,
池田 ミナ子
2
,
藤川 荘介
2
1国立がんセンター外科
2国立がんセンター臨床検査部
pp.1466-1467
発行日 1986年11月1日
Published Date 1986/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913172
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大腸癌が増加し,早期発見の手段として便の潜血テストが注目されている.従来のベンチジン,オルトトリジン,グアヤック試薬を用いた方法は,食品中の肉や緑黄色野菜でも呈色反応陽性となり,いわゆる潜血テスト偽陽性(false positive)が多く,これを少なくするために感度を下げると偽陰性(false negative)が多くなる.感度を落とさず,偽陽性も少なくするために,検査の2〜3日前から面倒な食事制限を必要とした.
特に大腸癌の集検を行うに当たって,効率を上げるためのスクリーニングに便潜血テストを用いるが,これが一つの大きな障害となっている.そこでヒトのヘモグロビン抗体を作り,これを用いて便中のヒトヘモグロビンのみを特異的にチェックしようとするのが,免疫法である.凝集法,EIA法などいくつかの方法がすでに開発されており,また開発中である(図).
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