トピックス
perineurial cellとEMA
亀田 典章
1
1東邦大学医学部第一病理学教室
pp.1080-1081
発行日 1990年7月1日
Published Date 1990/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900326
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perineurial cellとは末梢神経において,数本から数千本の神経線維を束ねて層状に包んでいる神経周膜(perineurium)を構成している細胞であり,光顕的に線維芽細胞と区別することができないところからperineurial fibroblastとも呼ばれた.電顕の出現によってneurothelあるいはperineurial epitheliumなどと呼ばれたことからもわかるように,形態的には上皮様の構造を持ち,機能的には脳におけるblood-brain barrierと同様にdiffusion barrierの役目を果たしている細胞と考えられている.
perineurial cellが注目されるようになった背景には,皮膚の触覚小体の一つであるパチニ小体(paciniancorpuscle)や,これと同様の構造を有するpacinianneurofibromaにおいてはperineurial cellが主要構成細胞であること1)や,perineurial cellのみから成るperineurial cell tumor(perineurioma)が発見されたこと2)などがある.
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