書評
異常値の出るメカニズム 第8版
大西 宏明
1
1杏林大・臨床検査医学
pp.799
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209394
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検査の異常値から病態を解き明かす屈指の名著の最新版
本書は,多言を弄するまでもなく,わが国における検体検査分野の解説本として長きにわたり広く読み継がれている代表的な名著である.今版においても,初版から一貫する「異常値が出るメカニズムを学ぶことで,検査値と疾患への理解を深める」という編集方針は保ちながら,名著の名に胡坐することなく,貪欲に新たな挑戦が行われており,医師や臨床検査技師をめざす学生などの初学者から臨床検査の教育にあたる専門家まで,日常的に検体検査にかかわる者にとって必携の書となっている.
新規検査項目としては,血液学分野において近年日常的に検査されるようになったvon Willebrand因子,ADAMTS13活性,HIT抗体,トロンボモジュリンなど,生化学分野では新規検査項目が多く導入された肝線維化マーカー,そして遺伝子関連検査分野ではマルチプレックスPCRやマイクロサテライト不安定性検査などが新たに解説されている.また,最新の研究成果に基づく新たな知見も,さりげなく取り入れられているのがうれしい.
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