FOCUS
多職種がん専門レジデント制度
刀稱 亀代志
1
1静岡県立静岡がんセンター医療技術部門臨床検査系病理検査室
pp.782-784
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209389
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はじめに
静岡県立静岡がんセンターでは,がん専門の優秀な医療従事者を養成するため,全国的にも例のない先駆的な取り組みとして“多職種がん専門レジデント制度”を2008年に創設した1).
がん医療を着実に遂行するためには,医師のみならず,専門的にがんの診断や治療に関わる医療従事者の養成が必要不可欠である.この制度は,臨床検査技師を含む13職種の医療従事者を対象とした職種別のレジデント制度であり,がん医療の臨床現場で必要とされる多職種チーム医療を学び,それぞれの専門領域における質の高い知識と技術を身に付け,がん医療に貢献することを目的としている.一般にレジデントといえば医師の研修医を指すが,がん医療には多職種でのチーム医療が欠かせず,この制度により多職種チーム医療が実践できるがん専門の優秀な医療従事者を養成し,がん医療水準の向上とその均てん化に寄与することができる.
なお,臨床検査技師においては,“超音波検査”と“病理検査”の2つのコースを設けており,創設以来60名を超える臨床検査技師がこの制度を利用し,それぞれの分野に精通した臨床検査技師として各方面で活躍している.
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