増大号 POCUSの決め手。 早く、正確な診断のために
4章 症状別検査の進め方
—検査値から検査を考える—甲状腺機能が高い—甲状腺中毒症の鑑別
國井 葉
1
1昭和大学横浜市北部病院甲状腺センター・内科
キーワード:
甲状腺中毒症
,
超音波所見
,
バセドウ病
,
亜急性甲状腺炎
Keyword:
甲状腺中毒症
,
超音波所見
,
バセドウ病
,
亜急性甲状腺炎
pp.365-372
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209281
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甲状腺中毒症の鑑別
甲状腺中毒症とは,甲状腺ホルモンである遊離トリヨードサイロキシン(free triiodothyronine:FT3)と遊離サイロキシン(free thyroxine:FT4)が高値となり,その結果,甲状腺ホルモンが過剰に作用する状態である.
甲状腺中毒症を認めたら,どのように鑑別を行っていくか超音波検査の特徴を含めフローチャートを図1に示す.まず甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone:TSH)を確認し,TSHが抑制されているようであれば,甲状腺原発の甲状腺中毒症を鑑別していく.もし,TSHが抑制されていない,すなわち正常または高値であるならば中枢性の甲状腺中毒症,TSH受容体異常症などを考えなくてはいけない.
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