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はじめに
インターネットとは,全世界に分散するサーバーにより運用・管理される巨大なコンピュータネットワークである。以前は電子メール註1)が主体であったが,現在ではWebサイト(ホームページ)註2),掲示板註3),チャット註4)など職場や家庭での利用が増大してきており,日本においてもインターネット人口は,2003年2月時点では5645万3000人で,インターネット世帯普及率註5)は48.4%と年々増加している(井芹,2003)。最近では,「健康」「医療」に関するWebサイトで,医療者―患者および患者同士の情報交換が活発にされるようになってきた。しかし,現代の情報社会では,情報機器を自由に操れる人ほど社会的に有利になる現象がみられるようになっている。そのため,健康支援でも「ネットワークからの落ちこぼれ」によって生じる格差であるデジタル・デバイドを考慮し,Webによる教育効果を確かめる必要がある。
そこで,インターネットによるWebサイト,電子メール,掲示板,ならびにチャットなどのコンピュータ・コミュニケーション・ネットワーク(以下,CCNとする)を使用した患者教育の有効性について検討することを目的としてシステマティック・レビューを行なった。システマティック・レビューとは,できるだけ主観を排し客観的な真理を明らかにする意図で書かれたものであり(森實,2002,p.137),再現可能な方法での広範囲な文献検索と批判的吟味を行なう先行研究の概観である。また,システマティック・レビューは,文献ソースが包括的で明確な検索の方法論をもち,選択基準・除外基準,主要アウトカム,妥当性,評価の方法などのレビュー方法が明確に示されているものである(福井,2005)。
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