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脳卒中・心筋梗塞の発症リスクを判定する新しいバイオマーカー:血漿中遊離アミノ酸
山門 實
1,2
1足利大学看護学部看護学科
2三井記念病院総合健診センター
pp.778-782
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208068
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はじめに
血漿中遊離アミノ酸(plasma free amino acid:PFAA)濃度は,癌,動脈硬化などの循環器疾患,生活習慣病,そしてアルツハイマー病といった多くの疾患で変動することが報告されている1〜6).アミノインデックス®リスクスクリーニング(AminoIndex® Risk Screening:AIRS®)は,PFAA濃度バランスを統計的に解析することで,疾病の発症リスクを判定する検査である2,4,7,8).その検査項目は,現在癌である可能性と7),脳卒中・心筋梗塞を発症するリスク8),糖尿病を発症するリスクである9).ならびに,血漿中の必須アミノ酸と準必須アミノ酸であるアルギニンの10種のアミノ酸濃度のそれぞれの偏差値から,現在の栄養状態を総合的に判定するとともに,貧血の発症リスクの判定である10).
本稿では臨床検査としてのPFAA濃度測定,ならびにAIRS®について,特に脳卒中・心筋梗塞の発症リスクを判定するアミノインデックス®生活習慣病リスクスクリーニング(AminoIndex® LifeStyle diseases:AILS®,以下AILS)(脳心疾患リスク)と生活習慣病罹患との関連を検討した結果について述べる.
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