FOCUS
高齢者在宅医療におけるポケットエコーの有用性
寺内 裕樹
1
1医療法人社団七福会ホリィマームクリニックさいたま
pp.572-574
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208015
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はじめに
近年,POCUS(point-of-care ultrasound)という概念が広まり,急性期医療現場では医師によるFAST(focused assessment with sonography for trauma)やFoCUS(focused cardiac ultrasound examination),在宅医療現場では訪問看護師による残尿エコーなど,エコー検査機器の小型化に伴ってポケットエコーの有用性が多職種から報告されている.POCUSとは,ベッドサイドなどにおいてバイタルサイン・病歴・身体所見から判断されたものを中心に的を絞って短時間で行う超音波検査法であり,検査室で行う系統的超音波検査法とは異なる.視覚による定性的評価が中心で,極力計測などは行わず,短時間で身体所見などと合わせて病態評価に用いる方法である.在宅医療現場ではその場で判断を求められることが多く,POCUSは有用である.
当クリニックは高齢者介護施設対象の訪問診療をメインとしたクリニックで,医師に同行しGEヘルスケア・ジャパン社のVscan® Dual Probeでエコー検査を行っている.在宅医療現場で,ポケットエコーのみで検査を行うソノグラファーから主治医へどのように提案し有効活用できたか,実際の症例を提示し若干の知見を付け加え報告する.
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