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高血圧治療ガイドライン—2014年版から2019年版への改訂のポイント
下澤 達雄
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1国際医療福祉大学医学部臨床検査医学
pp.567-571
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208014
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はじめに
2014年に高血圧治療ガイドラインが発行され,日本の研究成果の他にも米国でのSPRINT(systolic blood pressure intervention trial)試験のような大規模臨床試験で適切な降圧目標値を探る研究が発表されたことから,2017年よりガイドライン改訂準備を開始し2019年4月に最新版のガイドラインが発行された.2019年版では従来と異なり17のClinical Questionを設け,現在論文として発表されているデータをメタ解析し,エビデンスに基づいたAnswerを記載している.当初は17以上のClinical Questionが挙げられたが,メタ解析するに足るだけの情報がないClinical Questionもあり,最終的に17個になった.そのため,現状エビデンスに基づいた高血圧診療を行ううえではこのClinical Questionをまずは参照することが勧められる.この他に9つのQuestionとして例えば,水銀血圧計が使えなくなることから,どのような血圧計を推奨するか(Q1),家庭血圧の測定方法(Q2),血圧変動性の評価方法(Q3)のような,まだエビデンスが十分ではないものの日常臨床で問題となる点を取り上げている.
本稿では2014年版から2019年版への大きな変更点について,特に臨床検査にかかわる部分を概説する.
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