連載 生理検査のアーチファクト・29
—呼吸機能検査④—分画のズレによる影響
佐野 成雄
1
1大分大学医学部附属病院医療技術部臨床検査部門
pp.1308-1311
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207809
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こんなアーチファクトを知っていますか?
図1は59歳,男性の肺活量(vital capacity:VC)測定波形と努力性肺活量(forced vital capacity:FVC)測定波形を示す.検査はうまく遂行できたのだろうか?(肺気量分画は図2を参照).一見うまくできているように見えるが,フローボリューム曲線の予備呼気量(expiratory reserve volume:ERV)(図1b→)は,VC測定波形のERV(図1a→)より短い.つまり,ERVはVC波形のほうが大きいことがわかる.これは,正しく測定されていないアーチファクトが含まれているからである.では,なぜこのようなアーチファクトが現れるのだろうか?
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