FOCUS
心不全診療における赤血球粒度分布幅(RDW)の有用性
植村 祐介
1
1安城更生病院循環器センター
pp.493-495
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207533
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はじめに
赤血球粒度分布幅(red blood cell distribution width:RDW)は赤血球の容積を分布幅で示したもので,RDWが大きいほど赤血球の大きさのばらつきが大きいということを表している(図1).RDWには,粒度分布の下方20%の高さにおける分布幅を表したRDW-SD(RDW-standard deviation)(fL)と,粒度分布面積が正規分布であると仮定したときの分布幅の指標にあたるRDW-CV(RDW-coefficient of variation)(%)があるが,本稿ではRDW-CVを以後RDWとして表記するものとする.RDWは自動血球計数装置で計測され,平均赤血球容積(mean corpuscular volume:MCV)との組み合わせにより,貧血の鑑別に有用とされるが,近年,RDWが冠動脈疾患や心房細動,また心不全などの心疾患の予後と関連することが報告されるようになった.本稿ではRDWと心不全の関連について概説する.
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