検査じょうほう室 〈血液〉
電気抵抗法における血小板粒度分布異常の検討
小木曽 美紀
1
,
大岩 佳代
1
,
松浦 久乃
1
,
椎野 由裕
1
,
秋山 秀彦
2
,
勝田 逸郎
3
,
恵美 宣彦
4
,
大島 久二
5
1藤田保健衛生大学病院 臨床検査部
2藤田保健衛生大学 衛生学部 臨床血液学
3藤田保健衛生大学短期大学 検査血液学
4藤田保健衛生大学 医学部 内科
5藤田保健衛生大学 医学部 臨床検査学
pp.874-878
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101829
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はじめに
自動血球分析装置の高機能化に伴って,短時間で多くの解析データが出力されるようになった.しかし,従来の装置で測定されていた血球数および赤血球指数以外の項目については,その測定原理と有用性が完全に把握されておらず,多くの検査室では測定値が有効利用されていないのが現状である.特に,血小板数を電気抵抗法で測定している装置では,血球容積で赤血球と血小板とを弁別しているため,MCV(mean corpuscular volume,平均赤血球容積)値の低い小球性赤血球および破砕赤血球の影響を受けやすく,血小板の粒度分布が異常となることが既に報告されている1).今回,シスメックス社製XE-2100において,血小板粒度分布異常のフラッグが出現し,血小板粒度分布情報であるPDW(platelet distribution width,血小板分布幅),MPV(mean platelet volume,平均血小板容積),P-LCR(platelet-large cell ratio,大型血小板比率)が測定不能であった症例を集計し,そのメカニズムと原疾患を検討した.
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