増刊号 現場で“パッ”と使える 免疫染色クイックガイド
Column
Column.8 YANA4誕生秘話
pp.1115
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207360
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紹介した肺癌の鑑別を目的とした免疫多重染色“YANA4”は,私が考案したものである.論文を投稿するにあたり,この重染色のネーミングについて,“肺Lung,腺癌と扁平上皮癌Adenocarcinoma,SCCで……LAC?”,“TTF-1とNapsin A,p63,CK14だから……TNPC?”と,重染色の内容を全て網羅できるよう考えを巡らせたものの,ピンとこなかった.
“動物や昆虫や星は発見者の名前を付けるじゃないか!”ということで,“YANAGITA+4種類の抗体”ということから“YANA4”と名付けたのである(実に短絡的).とりあえず,考案者と抗体数が組み込まれた名前となったが,正直言ってしまえば,考案者の名前なんてどうでもいいことである.上司にも「う〜ん.最近は人の名前を付けたものは,あまり認められないよ?」と言われたが,そのまま投稿! 査読者からは「What does “YANA” mean?」とのコメントが来た.何か意味があるのかと思うのが当然であろう.私が査読者でも同じ質問をすることだろう,と納得.上司からも「やっぱり名前変更したら? 肺癌とか腺癌とか扁平上皮癌とか免疫重染色とか,関係する単語の頭文字にしようよ」とのご意見をいただいた.正しい! 上司が正しい! でも,“諦めません,(雑誌に)載るまでは!!”
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