増刊号 現場で“パッ”と使える 免疫染色クイックガイド
3章 免疫染色に強くなる! 免疫染色の極意
硬組織
今川 誠
1
1KKR札幌医療センター病理診断科
pp.1034-1035
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207344
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脱灰液は“蛋白に優しい”キレート溶液を選択すべし!
■キレート溶液
キレートとは,ギリシャ語で“カニのはさみ”の意味である.キレートははさみで金属イオンを挟むような構造をとることから,キレートと金属イオンの反応は“キレート反応”と呼ばれる.キレート溶液のエチレンジアミン四酢酸(ethylenediaminetetraacetic acid:EDTA)は,代表的な脱灰液である.EDTAは選択的に金属イオン(カルシウムイオン)と配位結合することで,脱カルシウム(脱灰)作用を生じる.つまり組織中のカルシウムイオンのみが除去されるので,蛋白に対しては影響を及ぼさない.そのため,長時間の脱灰処理を行っても組織への障害は少なく,免疫組織化学の染色性は担保される(図1).
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