知っておきたい検査機器
硬組織ミクロトーム
塩澤 俊一
1
,
今井 康雄
2
,
藤田 拓男
3
1北兵庫内科整形外科センター内科
2神戸大学医学部第三内科
3神戸大学第三内科
pp.383-387
発行日 1982年4月1日
Published Date 1982/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202488
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一般に組織学的検索は,パラフィンなどの包埋剤に組織を埋めてミクロトームで薄い切片を作ることにより行われるのであるが,骨のような硬い組織の場合,これをそのままパラフィンに包埋して切片を得ることができない.それはパラフィンと骨に硬度差があって例えよく切れるナイフを用いて骨を切ったとしても,パラフィンがずれてしまってうまく切片とならないのである.つまり組織切片を得るには,(1)目的とする組織を切ることのできるナイフ (2)組織と周りの包埋基材との間にできるだけ硬度差が少ないことの二つが同時に満足される必要がある.そして従来の方法はその骨組織を脱灰することによってその硬度を減らし,(1)普通のミクロトームのナイフで切れるようにする (2)周りの包埋基材と同等の軟かさを得ようとするものであった.
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