特集 骨ミネラル代謝と疾患
硬組織(歯・骨)とフッ素
宇田川 信之
1
,
中村 美どり
,
中村 浩志
1松本歯科大学 口腔生化学講座
キーワード:
う蝕
,
栄養必要量
,
給水
,
骨疾患
,
骨粗鬆症
,
歯
,
歯磨剤
,
歯牙フッ素症
,
フッ化物
,
フッ化物中毒
,
フッ素
,
骨
,
治療成績
,
歯磨き
,
含嗽
,
水道水
Keyword:
Bone Diseases
,
Bone and Bones
,
Dental Caries
,
Dentifrices
,
Fluoride Poisoning
,
Fluorides
,
Fluorosis, Dental
,
Osteoporosis
,
Nutritional Requirements
,
Tooth
,
Toothbrushing
,
Water Supply
,
Treatment Outcome
,
Fluorine
pp.63-70
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2017161100
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フッ素(F)は天然元素の一つであり,われわれの生活環境や飲食物に広く存在する.フッ素元素が陰イオンの状態にあるフッ素イオンが含まれる無機化合物をフッ化物という.フッ化物は,骨粗鬆症治療薬として古くから使用されてきた.また,う蝕予防のためのフッ化物の臨床応用については,大きな効果があることが証明されている.一方,フッ化物の過剰摂取の影響としては,誤飲などによる大量摂取による急性中毒,飲料水に含まれる過剰なフッ化物の慢性的な摂取による骨フッ素症(骨硬化症)および歯のフッ素症(斑状歯)が知られている.骨フッ素症における脊柱靱帯骨化,歯のフッ素症における歯面の白濁および着色といった病態はきわめてまれな特殊なものである.現在,本邦におけるフッ化物によるう蝕予防の推進は未だ不十分であり,今後ますます推進していく必要性がある.
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