Senior Course 病理
硬組織と器械(2)
桔梗 辰三
1
1横浜市大・中検病理
pp.671
発行日 1972年6月15日
Published Date 1972/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907664
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1.肋軟骨
開胸あるいは胸骨を取り出すには,各肋軟骨はできるだけ硬骨部に近いところで切断する(図1).それには若年者で軟骨の石灰化の少ない場合はナイフで十分間に合う.成人の場合は肋骨剪刀や肋骨ナイフよりはむしろリノリウムナイフのほうが使いやすい.リノリウムナイフは適当な大きさ,厚さ,刃の曲がり方,硬さがある.刃先も適当に鋭く,肋間筋をあらかじめ別のナイフで切断しておく必要もなく能率的である.またとがりすぎて肺を傷つける心配もない.しかし鎖骨の切断はややむずかしい.軟骨もここが一番早く石灰化するので,症例に応じて道具を使い分ける必要がある.しかしほとんどの場合リノリウムナイフで十分である.
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