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あとがき・次号予告
矢冨 裕
pp.184
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207072
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いま,2017年の年末にこのあとがきを書いております.本号がお手元に届くのは2018年に入ってからですが,読者の皆さまにおかれましては順調に新年のスタートダッシュを切られていることをお祈りしております.
臨床検査が発展の一途をたどっていること,本誌でもご紹介できていると思いますが,どんなに新しい先進的検査が導入されても,その検査結果が信頼できないものであれば,意味がありません.検査の品質・精度を確保することの重要性は論をまちませんが,これまでのわが国の法令上では,検体検査の結果の質を担保する事項については十分な基準が定められておらず,例えば,臨床検査の質を担保するための法律(CLIA法)にのっとり臨床検査が実施されている米国などの諸外国と比べても不十分と言わざるを得ない状況でした.そうしたところに,先進的検査の代表ともいうべき,ゲノム医療の実用化を支える遺伝子関連検査の精度の確保などの必要性にかかわる議論がきっかけとなり,検体検査の品質・精度の確保を盛り込んだ医療法等の一部を改正する法律が2017年6月7日に成立しました.この法律は公布後1年6カ月後に施行されることになっており,2017年から2018年にかけて,厚生労働省の検討会において,具体的な基準が議論されています.臨床検査に携わる者にとっては当たり前である検査の品質・精度を保つことの重要性を具現化する方向で進むことを祈るばかりです.
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