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あとがき・次号予告
矢冨 裕
pp.894
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206940
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6月に入り,今,8月号のあとがきを書いております.すでに先月から,とても5月とは思えない暑さとなり,この8月号が皆さまのお手元に届くころはどうなっているのかと心配します.そのようななか,気候変動対策の国際的枠組みである「パリ協定」の目標達成も危うい状況になり,本当に暗い気持ちです.
さて,本誌のほうは,本号も盛りだくさんの内容です.「病気のはなし」では,炎症性腸疾患が取り上げられています.この疾患は,潰瘍性大腸炎とクローン病に分けられますが,私が学生のときには,わからないことだらけの難病でした.しかし,今回,読ませていただき,現在は治療が格段に進み,多くの患者さんが通常生活を営めること,さらには,画期的治療として生物学的製剤が新たに導入されていることがわかりました.また,疾患感受性遺伝子の同定が進み,腸内細菌,さらには,種々の環境因子の関与が明らかにされ,本疾患の,多因子疾患としての免疫異常の本態が明らかとなってきました.また,新しい検査として便中カルプロテクチンが紹介されていますが,この検査は,この6月に新たに保険収載されました.本当に医学・医療の進歩にはすさまじいものがあり,絶えず勉強し,新しい知識を吸収しなくてはいけません.他のシリーズ企画もいつも通り充実しています.ぜひ,お目通しください.
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