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免疫チェックポイントシグナル(PD-1経路)を標的とした抗体療法
濵西 潤三
1
,
万代 昌紀
1
,
小西 郁生
1
1京都大学大学院医学研究科器官外科学婦人科学産科学
pp.609-613
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206867
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PD-1とは
PD-1(CD279)は,50〜55kdのtypeⅠ膜貫通型糖蛋白で構成された,CD28ファミリーに属する免疫抑制性補助シグナル受容体であり,1992年に京都大学のIshidaら1)によって単離,同定された.PD-1は,主に活性化したT細胞に発現し,そのリガンドPD-L1(CD274,B7-H1)あるいはPD-L2(CD273,B7-H2)と結合すると,T細胞の抗原受容体からの信号を抑制し,T細胞機能を抑制する(図1)2).PD-L1は樹状細胞や血管,心筋,肺,胎盤などの正常細胞に幅広く発現しているが,PD-L2は樹状細胞に限定して発現している3).
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