特集 新たながん治療戦略の鍵を握るPD-1抗体:がん免疫療法が、がんを制する
【第2部】PD-1抗体の臨床 進行卵巣がんに対する抗PD-1抗体療法
濵西 潤三
1
,
万代 昌紀
,
小西 郁生
1京都大学 大学院医学研究科婦人科学産科学
キーワード:
腫瘍多剤併用療法
,
疾患モデル(動物)
,
免疫抑制因子
,
卵巣腫瘍
,
CD8陽性T細胞
,
第II相試験
,
CTLA-4抗原
,
薬理学的バイオマーカー
,
分子標的治療
,
Programmed Cell Death 1 Receptor
,
CD274抗原
,
PD-L2 Protein
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Disease Models, Animal
,
Ovarian Neoplasms
,
Suppressor Factors, Immunologic
,
Clinical Trials, Phase II as Topic
,
CD8-Positive T-Lymphocytes
,
Biomarkers, Pharmacological
,
CTLA-4 Antigen
,
Programmed Cell Death 1 Receptor
,
Programmed Cell Death 1 Ligand 2 Protein
,
Molecular Targeted Therapy
,
B7-H1 Antigen
pp.1057-1060
発行日 2014年9月22日
Published Date 2014/9/22
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進行卵巣がんに対しては化学療法や手術を含む集学的治療を行うが,過去20年にわたり長期予後は改善しておらず,新しい治療法が求められている.当科では卵巣がんに対するがん免疫研究を進める中で,京都大学免疫ゲノム医学(本庶 佑教授)および同免疫細胞生物学(湊 長博教授)との共同研究から,PD-1経路によるがん免疫抑制が卵巣がんの生存予後に有意に関連していることが判明した.そこで化学療法が無効となった難治性卵巣がん20例に対してPD-1経路を阻害する抗PD-1抗体(Nivolumab)を用いた医師主導第Ⅱ相治験を開始した.本稿では,これまで当科で行ってきた卵巣がんにおける本経路の基礎的検討から,抗PD-1抗体を用いた医師主導治験の実現までの道程,ならびに抗PD-1抗体治療の展望と課題について述べる.
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