増刊号 一般検査ベーシックマスター
第2部 一般検査の「質」を保つTips&Techniques
Situation 3—結果と報告
尿検査
異型細胞を認めたときは,こうやって進めよう
横山 貴
1
1東京女子医科大学病院中央検査部
pp.380-383
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206801
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Quality Controlのために
尿沈渣検査において異型細胞として取り扱う細胞は,基本的には「悪性細胞」または「悪性を疑う細胞」である1).正常な細胞と鑑別するためには,正常細胞の特徴を十分に把握することが重要である.ビギナーが陥りがちなミスとしては,カテーテル挿入後,尿路感染症,尿路結石症や治療にともなう核クロマチンの変性をクロマチンの増量として認識し,「悪性細胞」または「悪性を疑う細胞」と誤判定してしまうことである.このようなことがないように,なかなか容易ではないが,日頃から異型細胞と報告した場合は,その後,本当に異型細胞であったのか,それとも良性細胞であったのかを,カルテなどを閲覧し患者背景や他の検査結果などを確認することが重要である.これにより,異型細胞の鑑別スキルが向上する.
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