臨床検査Q&A
Q 膀胱癌や尿管癌は尿沈渣中に異型細胞を認めることが多いと感じますが,腎癌の場合は認めることが少ないように感じます.腎癌は尿中に異型細胞が出現しにくいものなのでしょうか?
小材 和浩
1
1福岡赤十字病院 病理診断科
pp.610-611
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.32118/mt52060610
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
A 腎癌は,腎実質の尿細管上皮細胞や集合管上皮細胞が悪性腫瘍となった腎細胞癌と,腎盂の尿路上皮細胞が悪性腫瘍となった腎盂癌に区別されています.腎実質に発生する腎細胞癌の多くは淡明細胞癌で,腎盂への浸潤は少ないことから,尿沈渣中に異型細胞を認めることはまれです.これに対し,腎盂に発生する腎盂癌の多くは尿路上皮癌で,尿沈渣中に異型細胞を認めることがあります.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.