増刊号 一般検査ベーシックマスター
第1部 基礎から学ぼう一般検査
尿定量検査
堀尾 勝
1
1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
pp.190-195
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206764
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はじめに
尿蛋白は慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の重症度と関連しており,尿蛋白定量はCKD診療の基本である.24時間蓄尿によって1日排泄量を算出することが重要であるが,一般臨床では蓄尿が煩雑であり,随時尿の尿クレアチニン(Cr)補正値を用いる場合が多い1).
糸球体障害と尿細管障害では排泄される尿蛋白の種類が異なるため,アルブミン,β2ミクログロブリン(β2-microglobulin:β2-MG),α1ミクログロブリン(α1-microglobulin:α1-MG),NAG(N-acetyl-β-D-glucosaminidase)など,個別の蛋白の測定も有用である.ほかに,ブドウ糖,電解質,尿酸,クレアチニン,アミラーゼなど多くの物質の定量検査が行われるが,測定項目によっては尿のpH(hydrogen ion exponent)などが測定に影響する場合もある.測定に影響する要因や尿排泄の機序,日内変動の影響を理解しておくことが重要である.
本稿では,尿定量検査のうち,主な項目について述べる.
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