増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック
総論 基本的な技術と操作法
定量培養(喀痰,尿)
木村 圭吾
1
1大阪大学医学部附属病院臨床検査部感染微生物検査室
pp.206-210
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208278
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喀痰の定量培養
“喀痰の定量培養”と聞いて,どれほどの先生がイメージできるだろうか.現在,実際に微生物検査に従事している現役の臨床検査技師の先生方にはなじみが薄いかもしれないが,その歴史は古く,1962年のLouriaらの報告までさかのぼる.
元来,喀痰は口腔内常在菌による汚染が避けきれない材料であり,また喀痰内における菌の分布が不均一であることより,通常の方法での分離培養では真の原因菌を判断しかねる場合が少なくない,という側面をもつ.仮に肺内における感染症原因菌であれば,その菌は喀出の途中で口腔内で汚染された菌よりも数量的に多く存在するであろう,との考え方から試みられたのが定量培養である.
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