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増刊号 血液形態アトラス
Ⅰ部 造血器悪性腫瘍
5章 成熟B細胞腫瘍
4 濾胞性リンパ腫(FL)
Follicular lymphoma(FL)
寺島 道子
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.973-975
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206179
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濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma:FL)は代表的な低悪性度B細胞リンパ腫であり,非ホジキンリンパ腫の7〜15%を占める.WHO分類第4版では,胚中心由来成熟B細胞より構成され,少なくとも一部は濾胞構造が認められるものとされている1〜3).本病型は基本的にリンパ節原発であるが,節外性にも発症し,消化管(特に十二指腸),皮膚,甲状腺,唾液腺,乳腺,精巣などが発症部位として挙げられる.脾臓,骨髄にもしばしば進展する.骨髄浸潤は40〜70%と高率に認められ,末梢血に腫瘍細胞を認めることも多い.そのため,大半の症例は診断時にすでに進行期である.経過は緩徐だが,化学療法施行後に再燃を来すことが多い.一部の症例はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫へ組織学的進展(histologic transformation)を来し,予後不良である.
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