特集 血算を極める
血算の異常の鑑別診断
複数系統の血球減少の鑑別診断
岡田 定
1
1西崎クリニック
キーワード:
汎血球減少
,
肝硬変
,
骨髄異形成症候群
Keyword:
汎血球減少
,
肝硬変
,
骨髄異形成症候群
pp.759-763
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_759
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Summary
▪3系統すべての血球減少を汎血球減少(pancytopenia),2系統の血球減少をbicytopeniaとよぶ.
▪「汎血球減少=血液疾患で骨髄検査が必要」とは限らない.骨髄検査をしても診断できない非骨髄疾患がある.
▪汎血球減少をきたす頻度の高い疾患は,肝硬変と骨髄異形成症候群(MDS)である.
▪肝硬変では,軽度の白血球減少(白血球分画のすべてが減少)と血小板減少が多い.
▪MDSでは,汎血球減少,貧血+白血球減少,貧血+血小板減少,正球性~大球性貧血,幼若好中球や芽球の出現,血球の形態異常が特徴的である.
▪急性前骨髄球性白血病(APL)は,汎血球減少をきたす緊急性の高い疾患である.
▪ビタミンB12欠乏性貧血(悪性貧血や胃切除後貧血)も汎血球減少をきたすが,高度大球性貧血(MCV>120fL)が特徴的である.
© Nankodo Co., Ltd., 2020