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Bリンパ芽球性白血病/リンパ腫(B-lymphoblastic leukemia/lymphoma:B-ALL/LBL)はB細胞系前駆細胞が腫瘍化したもので,腫瘤性病変の有無にかかわらず,骨髄中のリンパ芽球が25%以上である場合をB-ALL,腫瘤性病変が主体で骨髄中のリンパ芽球が25%未満の場合をB-LBLとする2,3).B-ALLではその他中枢神経,リンパ節,脾臓,肝臓などに髄外浸潤が認められる.FAB(French-American-British)分類でL3に相当するBurkitt typeは,WHO第4版(2008)ではBurkittリンパ腫としてリンパ腫に分類されており,“B-ALL”という用語はBurkittリンパ腫ではなく急性Bリンパ芽球性白血病を指す.B-LBLはLBL全体の約10%と少なく,LBLの大半はT-LBLである.
B-ALLは小児に多い疾患であり,6歳以下の発症が75%を占めている.小児B-ALLは一般的に予後良好で完全寛解率は95%を超え,長期生存も約80%に期待できる.1歳未満の乳児に発症する乳児白血病でもほとんどがB-ALLであるが,約80%に染色体11q23領域での転座(MLL遺伝子再構成)が認められ予後不良である.成人B-ALLの約25%,小児B-ALLの約3%にBCR-ABL1遺伝子異常がみられる.BCR-ABL1遺伝子を伴うB-ALL,MLL遺伝子再構成を有するB-ALLは,反復性遺伝子異常を伴うB-ALLとして別項目に分類されており,本書でも別項目として記載している.
芽球が増加して正常造血が抑制されるため,貧血,血小板減少,好中球減少などを呈する.リンパ節腫脹,肝脾腫がみられることもある.B-LBLでは,多発性の皮膚結節,骨への浸潤,リンパ節病変がよくみられ,病変部位によっては咳や胸部圧迫感などの症状を認める.
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