特集 免疫組織・細胞化学検査
臓器別応用例
5.造血器系
4) Bリンパ腫
阿部 正文
1
,
若狭 治毅
1
Masafumi ABE
1
,
Haruki WAKASA
1
1福島県立医科大学病理学第一講座
pp.215-217
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902715
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はじめに
悪性リンパ腫はリンパ組織(リンパ節およびリンパ装置)から発生するリンパ球系腫瘍の総称で,Hodg-kin病と非Hodgkinリンパ腫の2つに大別される.非Hodgkinリンパ腫の組織分類は増殖様式(濾胞性増殖かびまん性増殖)と細胞型(細胞の大きさ)によって細別され,さらに免疫表現型によってTリンパ腫とBリンパ腫とに分けられる.一般にBリンパ腫はTリンパ腫に比して予後の良いことから,免疫組織化学染色による表現型の同定は重要である.さらに,リンパ球の分化抗原に対する種々の単クローン抗体の開発はどの分化・成熟段階におけるリンパ球が腫瘍化しているかを同定でき,Tリンパ腫あるいはBリンパ腫の亜型分類と病態把握に寄与している.本稿ではBリンパ腫の分類および診断・鑑別診断における免疫組織化学の有用性を中心に述べる.
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