臨床検査のピットフォール
IGRAによる結核診断のピットフォール
原田 登之
1
1一般社団法人免疫診断研究所
pp.810-812
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206033
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はじめに
現在,インターフェロン-γ遊離試験(interferon-γ release assays:IGRA)には,ELISA(enzyme-linked immunosorbent assay)法を用いるクォンティフェロン®TBゴールド(以下,QFT-3G)と,2012年10月に承認されたELISPOT(enzyme-linked immunospot)法を用いるT-スポット®. TB(以下,T-SPOT)の2種類がある.IGRAは全血,あるいは精製リンパ球を結核菌特異抗原で刺激し,産生されるインターフェロン-γ(interferon-γ:IFN-γ)を測定することによって結核感染を診断する方法であり,生細胞を扱うため,正確な結果を得るには注意が必要である.
本稿では,IGRAにおけるピットフォール,特にQFT-3Gについてはいくつかの点が明らかになっており,添付文書1)にも記載されているが,主にこれらについて解説したい.
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