特集 結核・非結核性抗酸菌感染症の今-併発・合併症としての対策を踏まえて
基礎疾患患者における結核の診断 免疫抑制治療時のIGRA検査に対する影響
猪狩 英俊
1
1千葉大学医学部附属病院 感染制御部
キーワード:
ツベルクリン検査
,
加齢
,
危険因子
,
結核
,
腎臓移植
,
免疫抑制療法
,
検査予測値
,
腫瘍壊死因子アルファ
,
結核-潜伏
,
インターフェロンガンマ遊離試験
,
アネルギー
Keyword:
Aging
,
Immunosuppression
,
Predictive Value of Tests
,
Risk Factors
,
Tumor Necrosis Factor-alpha
,
Tuberculin Test
,
Tuberculosis
,
Kidney Transplantation
,
Latent Tuberculosis
,
Interferon-gamma Release Tests
pp.8-13
発行日 2017年3月10日
Published Date 2017/3/10
DOI https://doi.org/10.34426/J03177.2017146988
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IGRAは潜在性結核感染症の診断に有用な検査手段である。基礎疾患別に、潜在性結核感染症から活動性結核を発病するリスクが知られており、臓器移植後、血液透析、TNF阻害薬使用などが該当する。しかし、このような免疫抑制状態にある者は、IGRAを実施しても十分な免疫応答が得られず、正しく潜在性結核感染症の診断ができない可能性がある。そして、これを補う手段は現時点ではない。免疫抑制治療時のIGRAでは、免疫応答の低下による影響を想定し、陰性を過大評価せず、結核の発病リスクを意識した日常診療が求められる。
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