トピックス
乳癌の遺伝子診断(Oncotype DX®)
木脇 圭一
1
,
川端 英孝
2
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院病理診断科
2国家公務員共済組合連合会虎の門病院乳腺内分泌外科
pp.96-99
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205821
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はじめに
乳癌は女性の癌部位別罹患数1位を占め,年々増加傾向にある1).部位別死亡率では大腸,肺,胃,膵臓に続いて5位となっている1).他臓器の癌と同様に,早期発見,早期治療が予後の改善につながることから,さまざまな診断手法,治療法が開発され,日々進歩の著しい分野である.
癌の治療は,臨床試験の結果に基づいたガイドラインに沿って行われる.個々の症例においてどの治療法を選択するかは臨床病期分類や病理所見に基づいて決定されるが,治療に対する反応性にはばらつきがみられる.これは癌の生物学的多様性,不均一性によるものであり,これらの生物学的特性を表現するバイオマーカーが開発されてきた.治療法が多様化し,個別化治療の必要性が注目されるなかで,これらのバイオマーカーが診断に用いられるようになってきている.その1つが遺伝子発現を用いた遺伝子プロファイリングである.
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