技術講座 病理
—step up編—ヘマトキシリン・エオジン染色の精度管理
廣井 禎之
1
1防衛医科大学校臨床検査医学講座
pp.30-36
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205772
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Point
●ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色は,ヘマトキシリンが天然染料であること,保存中に自然酸化が進むことなどの理由によって,精度管理には特有の考え方が必要である.
●HE染色の精度管理に影響を及ぼす因子には,ヘマトキシリンの性状,加える酸化剤の量,ヘマトキシリン染色液の経時的な染色性変化,エオジン染色液に加える酢酸の量がある.
●HE染色の精度管理には,染色途中の染色態度をチェックしながら進める技術と,染色液と染色時間を管理して,決められた時間で染色する考え方がある.相対する考え方であるが,両者とも正論である.
●自らの作製した標本を評価する目をもつことが大切である.そして施設に合った精度管理を実施していくことが望ましい.それは,基本的な染色理論を熟知してこそのなせる技術である.
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