技術講座 血液
自動血球計数器のデータに付加価値をつけてみよう—目視による血液塗抹標本検査の有用性を検証する
下村 登規夫
1
1国立病院機構さいがた医療センターメディカルシティさいがた
pp.24-29
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205771
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Point
●自動血球計数器から得られたデータは,必ずしも完全なものとはいえません.ですから,目視の知識をもって自動血球計数器のデータを評価する必要があるのです.
●赤血球の場合には,大小不同や連銭形成の可能性を考えさせるようなものを考慮しながらデータを読みます.
●白血球の場合には,scatter gramから異形リンパ球の有無を評価し,リンパ球が減少して好中球系が増加している場合には,目視によって,真の左方移動の有無を臨床に送ることが大切です.
●血小板の場合には,EDTAによる血小板凝集の有無が重要になります.血小板数が10万を切っているのに,出血傾向がないなどの時には,血小板凝集や巨大血小板による偽性血小板減少症の場合もあるからです.
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