技術講座 病理
病理検査領域での感染防止
倉田 毅
1
,
佐多 徹太郎
1
1国立予防衛生研究所病理部
pp.1447-1452
発行日 1988年12月1日
Published Date 1988/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205521
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サマリー
病理作業領域での感染の問題は長い間まったく放置されてきた.手術室で,周辺から患者に感染を波及させないのと逆の発想で,生検・剖検の際に患者から作業者に感染が及ばぬよう最大の注意を払わねばならない段階にきている.感染症のまったくわからない臨床家の激増する中で,病理関係者はみずから感染の危険から身を守る努力をしていかねばならない.設備については,"死者にお金を出さない"日本の医療のシステムの中で,病理領域,特に剖検室はきわめていいかげんに扱われてきた.今後は少しでも正しい感染に対する知識と対応策を持ち,適切な環境を作り,安全に作業を進めていきたいものである.
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