増刊号 尿検査法
II.各論
22.その他の物質
(2)アデニン
野呂 忠夫
1
1東京医科大学霞ヶ浦病院小児科
pp.259
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901141
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はじめに
プリン体代謝において,サルベージ酵素のひとつであるアデニン・ホスホリボシルトランスフェラーゼ(APRT)の先天性欠損症では,アデニンの代謝産物である2,8-ジヒドロキシアデニン(DHA)の尿路結石症と,それによる腎障害が問題となっている.この疾患において,蓄積されたアデニンが大量に尿中に排泄されることが証明された.また,アデニン製剤の使用によりしばしば尿中にアデニンが排泄されることも認められている.
アデニンの測定には,蛍光分光法と高速液体クロマトグラフィ(HPLC)による方法などがある.また,HPLC法においても,筆者らは紫外線(UV)分析法と蛍光分析法を試みたが,ここでは蛍光分光法を述べる.
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