マスターしよう検査技術
ファディレクトゴノコッカステスト
新井田 美絵
1
,
奥住 捷子
1
1東京大学医学部附属病院中央検査部
pp.1367-1371
発行日 1988年11月1日
Published Date 1988/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205493
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Staphylococcus aureusの産生するProtein Aは免疫グロブリンのFc部と特異的に結合する性質がある.この性質を利用して,ある種の菌に対するIgG抗体をS. aureusに結合させて,その菌体と凝集反応を起こさせ,肉眼的に観察する.この反応をcoagglutination(共同凝集反応)という.これをもとに開発されたのがファルマシァダイアグノーステック社のPhadebact® Monoclonal GC OMNI Testである.日本では,ファディレクトゴノコッカステストとして,ファルマシァ社と塩野義製薬から輸入・発売されている.このキットは淋菌抗原検出用キットで,スライド凝集反応のため操作は簡単であり,短時間で結果が得られる.
本反応は以前のPhadebact® Gonococcus Testでは,Neisseria lactamicaとN. gonorrhoeaeとに共通抗原が一部あるため交差反応が起こったが,今キットにはモノクローナル抗体を用いているため,交差反応は解消されている.
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