おかしな検査データ 検査事故における原因解析の進め方,考え方・4
標準液中のホルマリンによる事故および標準液記載表示の誤解による事故
畑 義治
1
,
天川 勉
2
1北里バイオケミカルラボラトリーズ(ブリストル)
2聖マリアンナ医科大学病院臨床検査部
pp.560-562
発行日 1982年6月1日
Published Date 1982/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205406
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
臨床化学分析の正確度において,もっとも基本となる「ものさし」は「標準物質の正確度」である.そして標準物質の選定および取り扱い方については,従来より常々問題提起されているが,大きな進展を見ないままである.それはなぜであろうか.その大きな理由としては次のことがあげられよう.
1)臨床化学分析は一般に純粋な分離分析ではなく,多くは迅速性が要求される混合分析であることより生ずる問題の複雑性.
2)酸素的測定法の目覚ましい発展により,従来は考えられなかった安定剤,保存剤,界面活性剤などの影響や液性による反応性の違いなどの問題が複雑化してきたこと.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.