最近の検査技術
ラテックス凝集反応の初速度による免疫定量法と応用
沢井 政信
1
,
右田 俊介
2
1三菱化成総合研究所
2金沢大学がん研究所
pp.555-559
発行日 1982年6月1日
Published Date 1982/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205405
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ラテックス凝集反応は,抗原または抗体の簡便な,しかも鋭敏な検出方法として広く定性的に用いられている.ふつうは,たとえば抗hCG(ヒト胎盤性性腺刺激ホルモン)抗体をつけたポリスチレンラテックスを試薬として,その1滴をスライド板上で尿検体に1滴と混合し,2〜3分間ゆり動かして凝集状態を観察して,もし凝集(はじめの牛乳状のラテックスが,小さな粒状に変化することをいう)が起きていれば"+",すなわち妊娠していると判定するというように用いられている.しかし,最近になってこのラテックス凝集反応をより精密に光学的に追跡して,その凝集速度を測って,抗原または抗体を定量する技術が進歩し,たとえば三菱化成で開発に成功したLPIAシステムのように,広く抗原や抗体の定量に応用されるようになってきた.ここでは,このラテックス凝集反応の速さを光学的に測る測り方と,その応用について解説する.
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