マスターしよう基本操作
血液ガス測定のための検体の取り扱い方
升潟 正子
1
1東京慈恵会医科大学病院中央検査部
pp.567-574
発行日 1981年7月1日
Published Date 1981/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205343
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血液ガス分析が臨床検査に導入され昨今の爆発的普及をみたのは近年である.1917年に,Van Slyke1)により,検圧法によるO2,CO2含量の測定が始められたが,今日の隆盛の契機となったのは,Astrupによる電極法の開発2)であった.従来,血液ガス分析は呼吸管理のモニターとして実施されていたが,電極法の導入により,Po2,Pco2,pHさらには〔HCO3-〕,B・E等体液の酸-塩基平衡状態をも反映する多くのパラメーターが得られるようになった.
血液ガス分析値は,①患者の状態(疾患の程度,患者の性,年齢,その他),②検体採取条件(採血時の体位,採血手技の良否,その他),③検体の取り扱い及び保存条件,④分析機器及び分析技術等の影響因子が包括された結果である。血液ガス分析に際しては,患者の状態以外の,すなわちartifactを可及的に除外しなければならない.本論では,特に③検体の取り扱い方及びその保存方法や,血液ガス分析装置コーニング165/2の較正の仕方及び血液検体注入方法までを写真を用いて解説する.
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