けんさ質問箱
正常血清でα1分画が消失するのは
橋本 寿美子
1
,
M子
1日大板橋病院臨床検査部
pp.1213-1214
発行日 1988年9月1日
Published Date 1988/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204726
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問 血清蛋白分画の検査で,病的な患者血清でもないのにα1分画が消失します(1シート20検体中の15検体).セルロースアセテート膜は常光のセパラックスを,測定にはDensitron20Mを使っています.この原因は何でしょうか.(大阪・M子)
答 正常血清をセルロースアセテート膜(以下,セ・ア膜)を用いて電気泳動したとき,α1分画の消失ないし著減が見られた場合は,次の二つの原因が考えられます.①電気泳動用緩衝液を長期間使用した場合,アルブミンとα1分画の分離が悪くなり,α1分画が見られなくなることがある.②染色液による染色性の違い.使用する色素の種類により染色性にかなりの違いが見られ,α1分画が著減することがある.
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