増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
血液生化学検査
脂質・リポ蛋白
血清胆汁酸とその分画
米山 啓一郎
1
1昭和大学保健管理センター
pp.396-397
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906395
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
胆汁酸は肝細胞においてコレステロールより生成される.一次胆汁酸であるコール酸(CA),ケノデオキシコール酸(CDCA)と,これらが腸内細菌によって脱水酸化されて生ずる二次胆汁酸であるデオキシコール酸(DCA),リトコール酸(LCA)があり,さらにウルソデオキシコール酸(UDCA)が存在する.これら5種類の胆汁酸には,おのおの遊離型,グリシン抱含型,タウリン抱合型の3型が存在するため,合計15分画の胆汁酸抱合体分画に分けられる.胆汁酸は十二指腸に分泌後,脂肪の消化吸収に重要な役割を果たし,回腸末端から再吸収され門脈を経て肝に至り,腸肝循環を繰り返している.そのため,胆汁酸は健常者の血中に微量存在するが,肝での輸送障害・胆汁うっ滞などに際し腸肝循環が破綻するとき,血中に増加する.
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