免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際
8・ホルモン
E 副腎皮質ホルモン
②アルドステロン
木野内 喬
1
,
清水 直容
1
1帝京大学医学部第三内科
pp.839-841
発行日 1988年6月15日
Published Date 1988/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204617
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アルドステロンは副腎皮質球状層から分泌されるもっとも強力な鉱質コルチコイドで,主として腎の遠位尿細管に作用し,ナトリウムの再吸収とカリウムならびに水素イオンの分泌を促進させることによって,生体内の電解質バランスの維持に重要な役割を果たしている.したがって,本ホルモンを測定することによって,原発性ならびに続発性アルドステロン症の診断や,カリウム代謝異常あるいは高血圧を呈する疾患の原因解明に有力な手がかりを与える.しかし,アルドステロンの分泌量は1日50〜150μg程度ときわめて微量なので,血中濃度も低く,従来の化学的方法やアイソトープ誘導体法(dobule isotope derivative method)は大量のサンプルと複雑な操作を必要とし,必ずしも実用的ではなかった.しかし,免疫化学検査法の一つであるラジオイムノアッセイ(RIA)が導入されてから1,2),アルドステロンの測定を,通常の検査室でもルーチンに行うことが可能となった.そこで,本稿ではRIAによる血中アルドステロン濃度の測定法を中心に概説する.
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