トピックス
毒素性ショック症候群毒素
五十嵐 英夫
1
1都立衛生研究所
pp.257-258
発行日 1988年3月1日
Published Date 1988/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204442
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1978年,Toddらは,黄色ブドウ球菌の産生する毒素が惹起すると推定される,発熱,紅皮症,血圧低下などの全身性の疾患をtoxic shock syndrome(毒素性ショック症候群:TSSと略)と呼称することを提案した.
その後,1979年後半から1980年当初にかけて,アメリカにおいて,Toddらによって報告されたTSSと類似の臨床症状を示す疾病が,月経時にタンポンを使用した若い女性の間で流行した.このTSSは比較的死亡率が高い重篤な疾病であったので,社会的にも大きな問題となり,疫学情報センター(CDC)を中心に原因究明のための大規模な疫学的調査が実施された.その結果,TSSと月経期間中のタンポンの使用との間に相関性が認められた.
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