技術解説
細菌性毒素と抗毒素の検出法・2—下痢原性毒素
三輪谷 俊夫
1
,
本田 武司
1
1阪大・微研細菌血清
pp.1351-1358
発行日 1976年11月15日
Published Date 1976/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909594
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下痢原性毒素(diarrhogenic toxin)とは
細菌毒素の研究の中で,最近特に進歩の著しいものに下痢原性毒素があげられる.その理由は,コレラ毒素(コレラーゲンcholeragenまたはコレラ・エンテロトキシンcholera-enterotoxinと呼ばれる)の高純度精製と作用機序の解明が進んだことと,その生物活性の測定法が確立されたためである.
腸管粘膜上皮細胞に直接作用して下痢を引き起こす下痢原性毒素は,いろいろな菌種によって産生されるが,共通していることは腸管結紮ループ法および皮内反応がいずれも陽性を示すことである.Keuschら(1975)は下痢原性毒素を更に次の2群に大別している.
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