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特集 細胞毒マニュアル—実験に用いられる細胞毒の知識
膜一般に作用するもの
コレラ毒素
Cholera toxin
黒木 登志夫
1
Toshio Kuroki
1
1東京大学医科学研究所癌細胞学研究部
pp.502-506
発行日 1984年12月15日
Published Date 1984/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904653
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今年(1984年)はコレラ菌が発見されてからちょうど100年にあたる。1884年7月26日,ベルリンで開かれた第1回コレラ会議において,ロバート・コッホはコレラ菌の発見を報告した。このコレラ菌発見にまつわる興味深い物語は,竹田,神中によって紹介されている1)。コッホはコレラ菌発見の最初の報告で,コレラの症状は,コレラ菌の産生する菌体外毒素──コレラ毒素──によることを述べている。しかし,コレラ毒素の存在が明らかになるには,それから四分の三世紀もまたねばならなかった。それから25年の間にコレラ毒素の研究は急速に進歩し,遺伝子がクローニングされるまでになった。しかし,コレラ毒素がどのようにして下痢をはじめとする生物学現象を起こすか,そのメカニズムはまだ不明の点が多い。以下,コレラ毒素の構造と生物学的作用についてまとめてみたい。
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