追悼
浦野順文教授のご逝去を悼む
山中 學
1
1横須賀共済病院
pp.238
発行日 1988年3月1日
Published Date 1988/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204435
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痛恨極まりないとはまさにこのことであろう.昨年の夏だったか,浦野先生にお願いしたいことがあって,大学へ電話をした.実はその前,浦野先生がお体の具合いが悪く,どうもよくないらしいということを耳にしたので,電話するのが何か不安で延し延しにしていたわけであるが,時間的都合もあって,思い切って掛けたのである.思いのほか明るい声でそしてさりげなく「肝がんといわれて,手術したが,今制癌剤の注入を週一回ずつやっています.まだ当分は大丈夫と思いますから」と当方のお願いを快諾された.しかし結局,先生のご意見を聞く機会も得ないままに,不幸な日を迎えることになってしまった.
先生は本誌の第8巻(1980年)から編集委員として,主として病理学領域について,本誌の充実,発展にご尽力頂いた.とくに本誌では初めての臨時増刊号が一昨年企画された時には,浦野先生に編集責任者となって頂き,「形態学的検査と技術 血液と病理」という素晴しい内容のものができ上がったことは,既にご存知のとおりである.病理学者として第一流であることはいうまでもないが,その経歴でも明らかなように,臨床検査における病理組織学領域でも第一人者であった.
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