原著
Wartenberg教授の逝去を悼む
冲中 重雄
pp.185-186
発行日 1957年4月1日
Published Date 1957/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901587
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Robert Wartenberg教授が1956年11月16日心臓疾患のために死亡された。カリホルニア大学病院(University of California Medical Center)のRobert B. Aird教授(Department of NeurologyのProfessor and Chairman)から昨年12月6日私あてにその通知があつた。Aird教授の御手紙によるとWartenberg教授は1954年現役を退かれて以来,健康にはすぐれなかつたようであり,私が1954年同大学を訪問した時も,丁度氏がその夏ドイツのフライブルグ大学へGuestProfessorとして招かれその旅行から帰つたばかりの所であつたが,身体の具合が良くないと云う事であつた。しかしAird教授の御手紙にもあるように,引退されてからも,そのNeurologyに対する熱意は変る所なく,著作,教育,その他の方面で活躍されていた。
Wartenberg教授については私も,氏の著書で東大佐野圭司博士が訳された「反射の検査」の序文の中でその入となりの一面を紹介した事があるが,直情径行の人で,神経学の鬼とも云われる徹底した学者であり,臨床神経学者である。博士は殆んどすべての神経疾患を,するどい観察,慣れた簡単な手技,豊富な経験によつてBed-Sideで診断し得ることを主張し,又それを実行された学者である。
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